タイ旅行で手にする、色鮮やかなタイバーツ紙幣。
すべての紙幣に、穏やかな表情を浮かべた国王の肖像画が描かれていることにお気づきでしょうか。
「なぜ、すべての紙幣に国王が?」
「デザインが違う2種類の紙幣があるけど、どっちも使えるの?」
実は、この肖像画には、タイという国の成り立ちと、国民の深い敬意が込められた、非常に大切な意味が隠されています。
この記事では、そんなタイバーツ紙幣のデザインの秘密と、旅行者が知っておくべき敬意ある扱い方を、プロの視点から徹底解説します。
【基本の理由】なぜ国王なのか?それは「国家の象徴」だから
まず、なぜタイの紙幣に国王が描かれているのか。その答えは、タイにおける王室の特別な立ち位置にあります。
タイ国王は、単なる国の元首であるだけでなく、国民統合の中心であり、精神的な支柱として、人々から深く敬愛されています。
国の顔であり、国民の心の拠り所である国王の肖像画を、国の通貨に描くこと。それは、その紙幣がタイという国家の信用と誇りを背負っていることを示す、最も力強い象徴なのです。
→ 【関連記事】通貨「バーツ」の歴史を解説!なぜ王室が通貨のシンボルなのか?
紙幣に描かれた「二人の国王」
現在、タイでは主に2種類のデザインの紙幣が流通しています。
① プミポン前国王(ラーマ9世)の肖像画







70年という長きにわたり在位し、タイの近代化と国民生活の向上に尽力したことで、今なお「国の父」として絶大な尊敬を集めるプミポン前国王の紙幣です。
② ワチラーロンコーン現国王(ラーマ10世)の肖像画





2016年に即位した、現在の国王が描かれた新しいデザインの紙幣です。
【重要】どちらの紙幣も、問題なく使えます
デザインが違っても、どちらもタイの正式な法定通貨です。お店で受け取りを拒否されるようなことは一切ありませんので、ご安心ください。
(参考:タイ銀行 公式サイト)
【旅行者必見】タイバーツの「敬意ある扱い方」というマナー
国王の肖像画が描かれているということは、その紙幣は単なる「お金」以上の意味を持つということです。タイバーツを扱う際には、以下のマナーを心掛けることで、タイの文化への敬意を示すことができます。
- 絶対に、足で踏まない、またがない
- 万が一、紙幣や硬貨を落としてしまった際、足で踏んで止めようとするのは絶対的なタブーです。これは、国民が最も尊敬する国王の顔を踏む行為と見なされ、非常に無礼な行為となります。
- 紙幣を故意に汚したり、くしゃくしゃに丸めたりしない
- ズボンのポケットに無造作に突っ込むのではなく、綺麗に長財布に入れるなど、丁寧な扱いを心がけましょう。
紙幣への敬意が教える「有事の際は、現金は王様」
国王の肖像画が描かれた「モノ」としての紙幣を大切に扱うタイの文化は、私たちに一つの重要なことを教えてくれます。
それは、「現金」そのものが持つ、物理的な価値の重みです。
有事の際は現金は王様です。
現金が主流のタイでは特に、システム障害や災害、カード紛失といった「有事」に、電子決済は機能しなくなります。
その時、国家の信用と国民の敬意が宿り、物理的に存在するこの「現金」こそが、あなたを助ける最後のライフラインになるのです。紙幣への敬意は、その本質的な価値への再認識に繋がります。
まとめ:一枚の紙幣に込められた、タイの心
タイバーツ紙幣の肖像画は、単なるデザインではありません。
それは、タイ国民の王室への深い敬意と、国の歴史そのものを表現した、文化の象徴なのです。
次にタイバーツを手に取った時には、ぜひその肖像画に少しだけ注目してみてください。一枚の紙幣が、ただの「お金」以上の、タイの温かい物語を語りかけてくれるはずです。
歴史の重みを持つ一枚を、専門家の手であなたの元へ
私たち現金屋は、日々何千枚ものタイバーツ紙幣を取り扱っています。
その一枚一枚に、この記事でご紹介したような、タイの誇るべき歴史と文化が宿っていることを、私たちは決して忘れません。
専門の鑑定機と長年の経験で、その価値と信頼性を一枚一枚丁寧に見極めた「本物」のタイバーツを、お客様にお届けすること。それが、両替のプロである私たちの使命です。

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