「韓国の通貨はウォンだけど、そういえば北朝鮮の通貨もウォンって言うな…」
「同じ名前だけど、何か違いはあるの?」
同じ朝鮮半島に位置し、同じ「ウォン(원)」という名前の通貨を使う北朝鮮と韓国。しかし、その内実は全くの別物です。
この記事では、そんな多くの人が知らない2つのウォンの決定的な違いを、「価値」「デザイン」「役割」という3つの視点から、分かりやすく解説します。
【基本情報】一目でわかる!北朝鮮ウォンと韓国ウォンの違い
| 項目 | 🇰🇵 北朝鮮ウォン | 🇰🇷 韓国ウォン |
| 通貨コード | KPW (Korean People’s Won) | KRW (Korean Republic Won) |
| 主な肖像画 | 金日成(キム・イルソン)主席など | 世宗大王、申師任堂など歴史的偉人 |
| 国際的な信用 | ほぼ無い | 高い |
| 両替の可否 | 日本では両替不可能 | 日本国内で広く両替可能 |
違い1:【価値】公式レートと実勢レートの大きな乖離
2つのウォンの最大の違いは、その「価値」の決まり方です。
韓国ウォン (KRW) の価値
私たちが普段両替する韓国ウォンは、世界の外国為替市場で日々取引されており、その価値は韓国経済の状況や海外投資家の動向などによって決まる変動相場制です。
北朝鮮ウォン (KPW) の価値
一方、北朝鮮ウォンは国際的な市場で取引されておらず、その価値は北朝鮮政府によって人為的に定められています(固定相場制)。そして、ここには2つのレートが存在します。
- 公式レート:
政府が外国人向けに設定しているレート。2025年現在、1 KPW ≒ 1.5 KRW 程度と、驚くべきことに韓国ウォンよりも価値が高い設定になっています。
(参考:Xe.com) - 実勢レート(闇レート):
しかし、国内の市場で実際に使われているレートはこれとは大きく異なり、公式レートの数百倍もウォンの価値が低いと言われています。このため、北朝鮮国内では自国通貨よりも中国の人民元や米ドルが好んで使われる傾向にあります。
違い2:【デザイン】描かれている人物の思想
紙幣のデザインからも、両国の思想の違いが見て取れます。
韓国ウォン (KRW) のデザイン
韓国ウォンには、ハングルを作った世宗大王や、天才儒学者、芸術家など、歴史的な文化人・知識人が描かれています。これは、韓国が学問や文化を重んじていることの表れです。

北朝鮮ウォン (KPW) のデザイン
一方、北朝鮮ウォンの高額紙幣には、建国の父である金日成(キム・イルソン)主席の肖像画が描かれています。また、他の紙幣には労働者や農民、兵士などが描かれ、社会主義国家としてのイデオロギーが強く反映されています。

違い3:【役割】「国境を越えられない通貨」と「越えられる通貨」
北朝鮮ウォン (KPW) の役割
北朝鮮ウォンは、国際的な決済には使えず、国外への持ち出しも厳しく制限されています。北朝鮮を訪れる外国人も、かつては特別な「外貨兌換券」を使わされたり、近年では米ドルやユーロ、人民元での支払いを求められたりします。つまり、国境を越えられない、国内専用の通貨なのです。
韓国ウォン (KRW) の役割
一方、韓国ウォンは、私たち現金屋のような両替専門店を通じて、世界中で両替することが可能です。国境を越えて価値を交換できる、開かれた通貨と言えます。
通貨の安定が教える「有事の際は、現金は王様」
北朝鮮ウォンが国内でさえ信用を失い、外貨が好まれるという現実は、私たちに重要な教訓を教えてくれます。それは、通貨の価値は、その国への「信用」そのものであるということです。
私たちが当たり前に使っている日本円や、両替する韓国ウォンは、その背後にある国家の安定と経済力によって価値が保証されています。
そして、そのように価値が保証された「現金」は、システム障害や災害、金融危機といった「有事」の際に、電子マネーやカードが機能しなくなった時、あなたを助けてくれる最後のライフラインになります。
通貨の安定が当たり前ではない世界があることを知ることは、「有事の際は現金は王様である」という言葉の本当の重みを私たちに気づかせてくれます。
まとめ:同じ名前、全く違う物語
| 北朝鮮ウォン (KPW) | 韓国ウォン (KRW) | |
| 価値の決まり方 | 政府が決める固定相場制 | 市場が決める変動相場制 |
| 国際的な通用度 | ほぼゼロ | 高い |
| 日本での両替 | 不可能 | 可能 |
同じ「ウォン」という名前でも、その背景にある歴史、経済、そして思想は全く異なります。
次にあなたが韓国ウォンを手に取った時には、その一枚が持つ「当たり前の価値」と「信頼」を、少しだけ感じてみてください。

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krw
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