「香港で両替したら、ライオンが描かれたカッコいいお札を手に入れた!」
「同じ100ドル札なのに、友達が持っているお札とデザインが全然違う…なぜ?」
香港を旅していると、同じ額面なのに複数のデザインの紙幣が流通していることに気づき、戸惑ったことはありませんか?特に、力強いライオン像が描かれた紙幣は印象的です。
この記事では、そんな香港ドル紙幣のデザインに隠された秘密、特に「ライオンの正体」と、なぜデザインが複数存在するのかという謎を、プロの視点から分かりやすく徹底解説します。
【最大の秘密】香港ドルは「3つの銀行」が発行している
まず、最も重要な答えからお伝えします。
香港では、政府の金融当局である香港金融管理局(HKMA)の監督のもと、3つの大手商業銀行がそれぞれ独自の紙幣を発行する権利を持っています。
- HSBC(香港上海銀行)
- Standard Chartered Bank(スタンダードチャータード銀行)
- Bank of China (Hong Kong)(中国銀行(香港))
そのため、同じ100香港ドル紙幣でも、発行した銀行によってデザインが3種類存在するのです。
→ 【関連記事】香港ドルの紙幣と硬貨の種類を解説!銀行ごとに異なる紙幣デザインとは?
【ライオンの正体】HSBCの象徴「スティーブン」と「スティット」
そして、多くの人が目にするあの力強いライオン像。これは、HSBC(香港上海銀行)が発行する紙幣に描かれている、同行のシンボルです。
HSBC香港本店の前には、一対の雄ライオンの銅像が鎮座しており、それぞれに名前が付けられています。
- 口を開けているライオン: Stephen (スティーブン)
- 口を閉じているライオン: Stitt (スティット)
これらは、1920年代の歴代頭取の名前に由来しており、「力」と「繁栄」の象徴として、香港の人々に古くから親しまれてきました。紙幣に描かれているライオンは、この有名な銅像がモチーフなのです。
他の2行はどんなデザイン?
ちなみに、他の2つの銀行も、それぞれ独自のテーマで美しい紙幣を発行しています。
- スタンダードチャータード銀行:
龍や鳳凰といった、中国の伝説上の瑞獣(ずいじゅう)をモチーフにした、幻想的なデザインが特徴です。 - 中国銀行(香港):
香港を代表する近代的なランドマーク(香港コンベンション・アンド・エキシビション・センターなど)をデザインに取り入れています。
通貨の多様性が教える「有事の際は、現金は王様」
3つの国際的な大手銀行が、政府の監督のもとでその価値を保証している香港ドル。この多様で堅牢な発行体制は、香港ドルという「物理的な現金」がいかに高い信用力を持っているかを物語っています。
有事の際は現金は王様です。
都会だからと油断してはいけません。システム障害やカード紛失、あるいは大規模なデモや災害といった「有事」に、電子決済は機能しなくなる可能性があります。その時、あなたを助けてくれる最後のライフラインは、その国の信用が宿った「現金」だけです。
HSBC、スタンダードチャータード、中国銀行という3つの巨大銀行がその価値を保証する香港ドル現金は、平時の利便性だけでなく、有事の際の絶対的な安心をもたらしてくれるのです。
まとめ:デザインの違いは、香港のユニークな魅力
- 香港ドル紙幣は、3つの銀行が発行しているためデザインが違う。
- ライオンが描かれているのは「HSBC(香港上海銀行)」の紙幣。
- どのデザインも、全く問題なく使える。
次にあなたが香港ドルを手にした時には、ぜひどの銀行が発行した紙幣か、そのデザインの違いに注目してみてください。一枚の紙幣が、国際金融都市・香港のユニークな歴史と文化を語りかけてくれるはずです。
物語の宿る一枚を、専門家の手であなたの元へ
私たち現金屋は、日々何千枚もの香港ドル紙幣を取り扱っています。
その一枚一枚に、この記事でご紹介したような、香港の誇るべき歴史と文化が宿っていることを、私たちは決して忘れません。
専門の鑑定機と長年の経験で、その価値と信頼性を一枚一枚丁寧に見極めた「本物」の香港ドルを、お客様にお届けすること。それが、両替のプロである私たちの使命です。

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